さて、本日より Chatwork プロダクト本部メンバーによる Advent Calendar がはじまります 📅🎄
初日*1は、エンジニア採用広報 兼 組織開発人事である高瀬 (@Guvalif) が、 「組織開発にプロダクト開発者が携わると、どのように見えるか?」というテーマでお送りします。
■ この記事の位置づけ
- この人はどんな思いで、どんな仕事をしているんだろう? 🤔 を明らかにする一種の公開社内報
- プロダクト開発に携わる人へ向けた、組織開発人事というキャリアの紹介
- エンジニア採用広報をはじめてみて「実際どうだった?」という一年の振り返り のさらにその後
"組織開発" とはそもそも何か?
まずは、このキーワードを紐解いてみましょう。一般的定義を引用させてもらえば:
組織開発とは、組織内に属する人たちの関係性を高め、組織パフォーマンスを最大限に発揮させること。 個人にフォーカスした人材開発とは異なり、組織内の信頼関係を強化することを目的としています。
Origin: HR ペディア (人事辞典)
となります。英語の場合は Organization Development を略して OD という呼称もあるそうです。
一般的定義によれば人材開発とは分けて考えられていますが、実際のところこれらは相乗効果の関係にあるため、 ひとつのチームに組成してしまうことも考えられるでしょう。
実際、プロダクト本部内における組織開発は、"DevHR" というチームにおいて人材開発と並列に実行されています:
トライアングルで考える組織開発のコンポーネント
さて、さきほどは組織開発とはそもそも何か?を説明しましたが、 ここでは組織開発をする上で考慮すべきコンポーネントを考察してみます。
実際に組織開発に携わってみての私見とはなりますが、組織開発は下図のようにコンポーネント分解できると考えています:
この図を見てすぐにピンときた方もいるかもしれませんが、 これはまさに プロダクトマネジメント・トライアングル*2 からの類推です。それぞれのコンポーネントを詳しく見ていきましょう 👀
"経営戦略理解" のコンポーネント
- このコンポーネントは、組織開発の 前提整理やコンセプト立案 に対応づきます
- 例) 組織開発の抽象度や適用範囲の調整
- 例) 会社のフェーズに応じた組織開発優先度の調整
- 例) 社員への働きかけ方のキャリブレーション
- etc ...
"社員理解" のコンポーネント
- このコンポーネントは、組織開発の 機会探索や仮説検証 に対応づきます
- 例) 1on1 やサーベイなどの実施を通じた現状の収集
- 例) 現状からの課題の分析
- 例) 組織開発の結果に対する定性・定量の分析
- etc ...
"ドメイン知識" のコンポーネント
- このコンポーネントは、組織開発の 精度向上 に対応づきます (適宜差し替えることを想定)
- 例) プロダクト本部の組織開発であれば、開発プラクティスや要素技術に関する知識を当てはめる
- 例) 全社の組織開発であれば、人事・労務に関する知識を当てはめる
- etc ...
いかがでしょうか?
こうしてみると、たとえ人事領域だとしてもプロダクト開発 (主としてプロダクトマネジメントやデザイン) の知見を流用しうることが見えてきますね 👨🏫
これもまた私見ではありますが、異なるものごとに対して共通性質を見出し、概念の転移と当てはめを考える ことは、 知的好奇心を大いに刺激されワクワクして取り組めることの一つです 🔍
Chatwork の現状を踏まえた組織開発の理想像
ここでは、先に取り上げた組織開発のトライアングルに関連して、 現状のバランス感のあり方と、そのためのチームやプロセスの理想像を描いてみます 🎨 (なお、ここでは 全社の組織開発 を対象としています)
Chatwork では 2022/12/01 現在、年平均成長率 40% の実現に向けて、 目まぐるしい変化を捉えながら柔軟に各種戦略を調整する必要があります。
そのため、特に "経営戦略理解" のコンポーネント比重が大きくなっています。
ここで:
- 経営戦略は抽象度が高い傾向にあるため、課題とそれに対応する具体施策にはギャップがありうる
- 抽象から具体への変換を、経営陣との齟齬を少なくしながらスピード感を持って行う必要がある
上記の要素を、全社の組織開発を行う上で考慮する必要がでています。
抽象から具体のギャップを適切に埋めながら、スピード感を持って取り組む ... これはなんだか アジャイルのプラクティス を適用できそうな気配が プンプン しますね!
中でも、デュアルトラックアジャイル*3は相性が良さそうだと考えています。 構想中のチームイメージは次の通りです:
このチームイメージがもし上手くワークした場合、先進的な組織開発事例として発信できるだろうことを期待しています。
2023 年に達成したいこと
不思議なことに、プロダクトマネジメントを支える手段の 1 つとしてはじめた人事領域のキャリア は、 巡り巡って自分自身でもプロダクトマネジメントのプラクティスを応用する領域へたどり着きました。
次の 1 年でやりたいことは、大きく 3 つあります:
- pmconf などで事例を発信し、人事以外の人たちにも組織開発に興味・関心を持ってもらうこと
- プロダクトマネージャーやデザイナー,スクラムマスターなど、多様な職能の人たちを巻き込みながら全社組織課題に立ち向かうこと
- プロダクト開発における各種プラクティスも応用しながら、Chatwork 流の組織開発体系を作り上げること
扱う事象の難易度も高く、まだまだ手探りなことも多いですが、 自分自身のキャパシティをより大きなものとしながら、引き続き貢献できればと思います 🚀
最後に、Chatwork における組織開発に興味を持っていただけた方は、 ぜひぜひカジュアル面談などお気軽にお声がけいただければ嬉しく思います!(DM 開放中):
... ところで、この記事初日の記事のはずなのに、なんで 12/02 に出ているんでしょうね 😇 (N 回目)
*1:ん?なんだか記事の投稿日が 12/02 のような ... 🤔
*2:https://productlogic.org/2014/06/22/the-product-management-triangle/