Chatwork Creator's Note

ビジネスチャット「Chatwork」のエンジニアとデザイナーのブログです。

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2023年の個人的なふりかえり

この記事はChatwork Advent Calendar 2023の25日目の記事です。

メリークリスマス!Chatwork株式会社プロダクト本部 本部長の田中です。いつの間にか執行役員になっていました。最近外部に公開するブログも書けてなかったですが、今回このAdventCalendarのトリを任せられています。よい機会だと捉え、個人や会社としてのふりかえり、来期に向けた展望のお話を書いていきます。

1年間のふりかえり

まずはこの1年間に起こった出来事、やってきたことを会社目線、個人目線両方交えて書いていこうと思います。

戦略アップデート

今年、Chatwork社としては新たな戦略として「BPaaS」というものを打ち出した年でもありました。もともとはビジネスチャットを軸にしたスーパーアプリという戦略でしたが、わたしたちがいま注力している中小企業の実態に合わせ「ツールを提供するのではなく、業務ごと巻き取る」というBPaaSの構想を打ち出しました。戦略の方向性が変わったというよりは、より戦略をより実態に合わせシャープにした、というほうが表現としては適切でしょうか。

BPaaSの概念

Chatwork社では、ビジネスチャットをよりグロースさせていく「PLG戦略」と、そのビジネスチャット上でさらなる価値を提供してく「BPaaS戦略」、この2つの軸が今後の戦略の中心になってきます。

BPaaSという考えについて、詳しくは弊社の代表が書いたブログ記事を参照してください。

note.com

プロダクト本部 本部長就任

そんな戦略があたらしくなった中、もともと副本部長という立場でしたが、今年の3月から本部長の人事がありました。2019年から副本部長として、組織の立ち上げや横断した組織課題の解決に取り組んでいきましたが、それと同時に約100名の組織の管掌をになっていくことになりました。

以下、本部長就任後にやってきたことをつらつらと書いていきます。

戦略策定

本部長の仕事の中で一番大きかった仕事が「戦略策定」かもしれません。組織としてのあるべき姿(= Vision)を描き、Visionに対しての現状認識、Visionに到達するまでどういうパスをとるか?という戦略を書いていきました。 この取り組みは、私の組織だけでなく、会社全体で実施した取り組みになります。

Chatworkでは戦略が非常に重要視されるカルチャーがあります。弊社COOの福田が戦略について記載したブログがありますが、この考えを全社に浸透させています。

note.com note.com

私はプロダクト本部長として、組織やオペレーションに関する戦略を中心に策定していきました。立ち位置としては、プロダクト戦略を実現するためのプロダクト組織、それを支えるオペレーションについての考えを言語化しました。

初めて全社で共通した戦略策定というプロセスを今年から踏んだため、私自身も初の試みだったのですが、やってみた感想としては:

  • 戦略策定は言語化能力が非常に問われる
  • 現状の認識が超重要、ここの認識をズレていると戦略もズレる
  • フォアキャストとバックキャストの考えをどちらもバランスよく取り入れることが重要

ということが学びとしてありました。来期からの戦略もすでに策定をしており、初年度の反省を活かしながら実施をしていきます。

今年は戦略策定の初年度だったので、戦略更新のオペレーションが不明確だったり、本部メンバー全体に向けた戦略浸透のような機会提供もなかなかできなかったという反省があります。来期は戦略を適宜アップデートできるような座組の作成の準備をしっかりとしていきたいです。また、戦略だけでなく、必要な情報が常に行き渡り、各自が自律して動いていけるような組織状態を作っていきたいと考えています。

新卒採用への関わり

現在、Chatworkではビジネス職とプロダクト職の新卒採用を実施しています。当然、本部長という立場になったため、プロダクト職種の新卒採用に関わることになりました。Chatworkでは人事側と事業側(ビジネス、プロダクト)が密に連携し新卒採用にすでに取り組んでいるので、オペレーションはかなり研ぎ澄まされています。私はそのオペレーションに乗っかる形で関わることとなりました。

2023年には5名のプロダクト職種の新卒の方々を迎え、2024年にも同人数程度を迎え入れられそうです。私が本格的に新卒採用に関わりだしたのは2025年卒の学生に向けた新卒採用活動で、すでに弊社サマーインターンを受けていただいた方々からの選考の他、本選考からの選考についての最終面接を担当していました。

中途採用は今までのキャリアで長いことやっていましたが、実は新卒採用はいままでやったことがなく、非常に新鮮な経験でした。中途採用とは違い、新卒の方々は必ずしも現在プロダクト開発などのハードスキルがあるわけでは無いため、見極めの難易度が高かったです。特に、私が担当するのは最終面接のため、極度に緊張している方の場合もあるので、普段通りの会話ができるようにアイスブレイクすることがかなり大切だなと実体験として感じました。

ただ、総じて言えることとして、選考に来ていただける新卒の方々はとにかくみんな優秀でびっくりします。自分が新卒のときとは比べ物にならない・・・という印象です。そのような優秀な方々の中でも合否を決定するということも非常に難しく、人事の方と協力しながら採用の軸もしっかりと定義してきました。基本的な考え方として、中途採用・新卒採用ともに以下のような価値観をプロダクト本部として大切にしています。

  • プロダクト思考:HowよりもWhyやWhatを尊重し、深く思考できる方
  • オーナーシップ:行動量、行動力と合わせて責任感も強く持たれてている方
  • チームワーク:個人ではなくチームでの協調を大切にされている方

これらは、Chatworkでチームとしてプロダクト開発に携わっていくに当たり非常に重要な要素だと捉えています。

選考時に大切にしていること

引用元:Chatwork プロダクト本部 紹介資料(エンジニア向け) - Speaker Deck

プロダクト本部としては、引き続き新卒採用へはコミットしていきます。そのための新卒採用プロセスの洗練はもちろんですが、新卒の方々が入社して後に活躍できるような環境整備にも力を入れていきます。

開発生産性カンファレンスへの登壇

Findyさん主催の開発生産性カンファレンスにて、Chatwork社はゴールドスポンサーとして協賛しました。

dev-productivity-con.findy-code.io

登壇時には、いままで取り組んできたフィーチャーチーム化の現状の姿をありのままに表現し、発表しました。

speakerdeck.com

このブログの中では登壇内容の詳細な説明は省略します。縦割りの組織をどう変化させ、プロダクト開発しやすい組織にしていくのか?巨大なワンプロダクトがゆえの難しさ、みたいなことが書かれています。興味のある方はぜひ上記資料を参考にしてください。

正直、まだ現時点でも道半ばではありますが、今後もこの取り組みは継続していきたいです。開発から運用まで、オーナーシップをもって働きやすい組織体制を目指していきます。

QAエンジニアの採用

今年、Chatworkのプロダクトとしては初のQAエンジニアの方が入社されました。「むしろ今までいなかったの・・・?」とよく言われます。 いままではQAはエンジニアで開発をしながら担保している状況でした。具体的には:

  • CI/CD環境構築
  • テスト計画、受け入れテストの実施
  • 自動テスト環境整備
  • etc…

上記のような業務はおもに現場側で対応してきました。

流石に現在のような100名程度の開発組織になってくると、各組織で共通した品質課題が発生してきます。そんな中、QAエンジニアとしてようやく1名入社をしていただけました。私自身、QAというものにはまだまだ疎い人間なので、いろいろ教えていただいています。

入社してまだ数ヶ月しか経っていないですが、品質向上に関する横断した動きをしていただいています。すでにQAの戦略も書いていただいており、自律して動いていただき大変ありがたいです。今後のQAに関する活動についていろいろお話させていただいておりますが、やはり予想していたとおりやるべきことは多い状況です。まだQAエンジニアが1人しかいない状況のため、興味のある方はぜひお話させてください!

hrmos.co

今後について

最後に、今後について簡単に書いておきます。 一言でいうと、やるべきことが非常に多いです。なので重要な点のみ大まかに書いておきます。

人や組織への投資

来期やることにおいて特に重要なのがプロダクト組織として活躍する人への投資です。彼ら彼女らが自律して、モチベーション高く働けるような環境を用意することが私の最も大きな仕事だと理解しています。そのための根本的な考えとして、以下の3つの実感をもてるような組織を目指していきます。

  • 社会貢献:事業を通じての社会貢献ができているという実感
  • 事業貢献:自身の仕事が事業貢献に直結しているという実感
  • 自己実現:事業貢献を通じて自己実現ができているという実感

これらを実現するためには、施策としても様々なことを実施していかなくてはなりません。

例えば「自分の仕事がなにに向かっているのか?」の解像度をたかめるためには、ユーザーの解像度をエンジニア含めてより高く保っていくことが必要です。また、自チームが連携する必要のあるチームの理解も有効でしょう。自分の仕事の影響範囲を理解し、横の連携を強化することで、自身の存在の再確認にも繋がります。このような状態ができれば、「何をするべきか?」を自身で理解し、自律的な行動ができるようになってくるはずです。

「組織としてのコマとして働く」のではなく「自律的に目標やミッションに向かって動く」環境を目指し、そのために必要なことをやっていきます。

リモート前提の働き方

上記の様な環境を整えるに当たり、弊社での大前提となるのがリモートワークという働き方です。

最近では、コロナ禍でのオンライン前提の業務形態から、コロナも落ち着き出社する方針に戻している企業も多いとよく聞きますが、弊社では引き続きオンラインでの業務が前提となります。

背景として、弊社にはフルリモート前提で、出社が物理的に難しい方がたくさん在籍しています。そのため、各種業務オペレーションやインナーコミュニケーションはオンライン前提で考えることとなります。

特にインナーコミュニケーションはオンラインとオフラインの差が非常に大きく、オンラインでは偶発的なコミュニケーションが発生しにくいです。それ故にサイロ化が起こりやすい状況だと理解しています。なにもせずに放置すると、情報が自分たちの関わる情報しか収集できないということにはなりやすい。このような課題は組織を横断した課題でもあるため、個別チームで対応はしにくい課題です。つまり、難易度が高い課題の一つと捉えています。これらの対策については本部長などの組織全体を俯瞰してみているレイヤーでの意志入れが重要だと考えています。来期、こういったところにも力を入れていこうと考えています。

最後に

今年も1年いろいろありましたが、来年は更に事業としても組織としてもいろいろなことが起こりそうで、今から非常に楽しみです!そのためには人が全然足りないので、全方面で採用強化中です!興味のある方、ぜひ私とカジュアル面談しましょう。上記のことや、この記事では語りきれていないことなど、お話させていただけると嬉しいです。

P.S. 最近エンジニア採用サイトが更新されたので、Chatworkに興味のある方、ぜひのぞいてみてください!

recruit.chatwork.com