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ビジネスチャット「Chatwork」のエンジニアのブログです。

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和田卓人さん(t-wadaさん)によるオンライン講演「質とスピード」を社内で開催しました!

みなさん、テストしてますか?

プロダクト本部 副本部長の田中(Twitter:@tan_yuki)です。DevHRチームにも所属しています。

DevHRではチーム活動のひとつとして、社内勉強会の企画をしています。最近、あのTDDで有名な和田卓人さん(Twitter:@t_wada)に依頼し、「質とスピード」という内容の社内講演(オンライン)をしていただきました!

DevHRってなに?という方はこちらの記事を参照してください。

creators-note.chatwork.com


今回は、開催した「質とスピード」の社内講演に関する詳細についてまとめていきます。

社内講演のきっかけ

もともと、弊社のテックリードであるかとじゅん(Twitter:@j5ik2o)が、和田卓人さんのTDD講習を受けたことをきっかけに「社内でt-wadaさんの講演を依頼してはどうか?」という話になりました。

社内チャットでのちょっとしたやりとりがきっかけ

社内で検討し、実際に依頼する運びとなりました。

和田さんとは事前に打ち合わせをさせていただき、オンライン講演についての細かい調整や講演の内容の相談など、親切に相談に乗っていただけました。 打ち合わせの結果、今回の講演は「質とスピード」にしましょう、という結論にいたりました。この講演は依頼が最も多く、一番人気らしいです。


speakerdeck.com (※ 上記は社内講演当日に使われた資料ではありません。和田さんが別講演で発表された同じ内容のスライドになります。)


その打ち合わせで、和田さんから以下のように言われたことが非常に印象的でした。

  • ぜひ、エンジニア以外の方々にも参加してほしい、特に意思決定層の方々(ボードメンバーやPM)
  • こういった社内講演はライブ感が非常に重要、同じ時間を一緒に共有できているという感覚が大事

ということで、社内勉強会はエンジニアのみならず、全社に広く告知しました。

また、業務委託をお願いしている社外の方も参加OKとし、同じチームで情報格差がでないようにしています。

実況チャットも準備し、思ったことや感想などは都度Chatworkに書き込むようにお願いしました。

社内勉強会のチャットで告知した内容

講演後の社内のアンケート結果

実際にやってみてどうだったか、というお話しを先にします。

結論からいうと、参加者の満足度は非常に高かったです。以下のアンケートは5段階評価(5が評価が高い)の結果です。

講演内容の満足度

今回の講演内容は、自分の業務内容について活かせることがありそうですか?

だいたいこういったアンケートの結果は4が多くなりがちですが、最高評価の5がここまで割合が多いのは、参加者の満足度が高かったことを表してそうです。

講演後、あるチームでは「この講演を聞いてどう感じたか?」というワークショップを直後におこない、実際の業務に活かそうとしていました。

それだけ社内にすぐに影響が出始めたといことに、とても驚いています。

オンライン講演「質とスピード」当日の様子

今回の「質とスピード」の内容については、様々なブログで言及されているので、ここでは割愛します。

当日は、当初予定どおり、チャットで参加者全員でワイワイしながら、それぞれが感じたことを書き込み、とても盛り上がりました。

講演を聞きながら、どういった会話がチャット上でなされたのかをまとめてみました。 まとまりのない文章になっていますが、チャットのリアル感を表現するためにそのままの文章でまとめています。

社内チャットの様子

(a) スコープを削る、(b) 人を増やす、(c) リリース日を延期する、(d) 品質を犠牲にする、どれを選ぶ?

  • 「b選びがち」
  • 「受託系だとabcは予算との兼ね合いでdを選びがち。」
  • 「bは人月の神話が絡んでくる」
  • 「昔テスト端折れって言われたことあるーー!」
  • 「実際にbを選ぶとdも同時選んでる気はしますねー」
  • 「bはデスマの始まりだしなぁ。。。」
  • 「caはお客様がいるとね・・・。」
  • 「e) 命を削る」
  • 「特にソフトウェア開発ではbは失敗することがわかってる」
  • 「d(テストサボれ)とオーダー来てもバグが出たら怒られる。理不尽」


品質とはいったいなんなのか?

  • 「当たり前品質とは、なんなのか?」
  • 「KANOモデルも、利用者としての見方、事業者としての見方で変わってくる気がする。」
  • 「そういうのを含めて "誰かにとっての価値" なんですねー」
  • 「まえ、PMのみなさんに、狩野モデルで分析していただいたことあります」
  • 「品質とは?を認識合わせないと話が噛み合わないのかー」


内部品質と外部品質

  • 「外部指標は症状」
  • 「内部品質=原因、外部品質=結果」
  • 「内部品質を下げるのは外部との調整コストが低くて下げやすい」
  • 「前職の経験だと、内部品質の劣化が外部に露出する機会として、非機能要件が多くなりがちな印象です🤔」


蘇るトラウマ

  • 「長机……パイプ椅子……」
  • 「椅子ならべて寝てた」
  • 「まさしくコレだった...」
  • 「床と段ボール・・・」
  • 「椅子を三つつなげて寝たことがある」
  • 「段ボールは断熱材&クッションとして優秀だぞ!?」
  • 「落ちないように交互に椅子を並べたり」「椅子を交互にやるのやるやるwww」「真ん中は逆にするんですよね。椅子。」

(*) 注: Chatworkではこのような労働環境はありません!


トレードオフスライダーとは?

  • 「速さ優先って意味でPRDの品質スコアつけてしまってた気がして反省。そして速さ優先じゃないPJなんてなかった、、え、じゃあトレードオフスライダーって一体、、」
  • 「トレードオフスライダーにおける品質って、外部品質のことなのかな・・・?」
  • 「品質ってなんだ?っていう認識がこの間話している相手と違くて、いまこれ聞きながら外部品質か内部品質かの違いだったのか〜〜〜となりました」
  • 「最近は、QCDSにおいて、Qはトレードにならないという認識」
  • 「スコープを削るのか、リリース日を遅らせるのか、しかない、ということ?」
  • 「スコープと時間の2つだけのトレードオフスライダー」
  • 「トレードオフスライダーは全部MAXじゃないということを認識するためだけのもの」
  • 「全部MAXなトレードオフスライダーを見たことある」


要はバランス?

  • 「本当にそれはトレードオフなのか?たしかになぁ」
  • 「バランスを取るのが悪いのではなく、本来はトレードオフではないものにトレードオフ構造を見出してるのが悪いと」
  • 「"本当にトレードオフ構造なのか?" を常に掘り下げる戒めとしての、要はバランスおじさん」


質とスピードのトレードオフの誤解

  • 「トレードオフは存在しているけど損益分岐点があまりに速くやってくる、というイメージ」
  • 「なんか1チケットレベルだとクソコードが早いけど、変更用意性がないから複数チケットまたぐと遅くなってくみたいなイメージ。」
  • 「息子の工作を見てると、時間をかければ質はよくなりますね。つまり、"工業製品の加工精度" においては、スピードと品質はトレードオフかもしれない。これが刷り込まれている認識だと思う。しかし、つまり、ソフトウエアの"品質"は何か根本的に違う概念だと思われる。」


結局、品質とはなんなのか?

  • 「品質という言葉が指すものが多すぎる」
  • 「品質とは何か、というのをプロジェクト内でちゃんと認識あわせたほうがいいんでしょうね。品質ってこんな広い単語だって意識していなかった。」
  • 「なにが品質で、なにがスコープで、というのを組織で合意する必要がありそうなんですね〜」

...と、このようにワイワイ会話をしながら講演を聞いていました。

また、当日はツイッター用のハッシュタグも用意し、外部にもツイートしていたので、興味があればそちらも参考にしてみてください。

#chatwork_twada

まとめ

t-wadaさんこと和田卓人さんの社内講演は非常に価値のある講演でした。依頼してよかったです! 今後もDevHRチームでは、インナーコミュニケーションや学びの場として、定期的に社内勉強会の企画をしていきたいと考えています。

いつもの

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