Chatwork Creator's Note

ビジネスチャット「Chatwork」のエンジニアとデザイナーのブログです。

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メロンパンの香りの中で、プロダクトデザイン部の「デザイン思想」をアップデートしました

はじめまして。 Chatwork プロダクトデザイン部に6月からジョインした 仁科智子 です。 マイブームは1周回って Pokémon GO です。

この記事では、私が入社して約1ヶ月間にやっていることと、先日プロダクトデザイン部合宿の中でおこなわれた「プロダクトデザイン部のデザイン思想をアップデートするワーク」について書いてみたいと思います。

まずは自己紹介

制作会社に潜り込んで、某飲料メーカーのガラケーサイトの運営更新を担当させてもらったことが Webデザイナーとしてのキャリアの始まりです。
ガラケーサイトから PCサイトへと担当領域が広がることがキャリアアップだと信じていた矢先、まだ発売されて間もない iPhone のアプリUI をデザインする機会があり、「サービスそのものを作る」ということに魅力を感じて事業会社に転職しました。

その後は美容系プラットフォームで Webサービスの UIデザイナー、ディレクター、マネージャーなどを6年ほど経験したのち、さらにスタートアップに転職し、決済サービスと電動キックボードサービスのデザインを1年ほど担当しました。

こうして書き出してみると、自分がどの領域・分野に強みがあるか一言でいうのは難しいのですが、「会社のビジョンやプロダクトの価値を最大化するデザイン」にとても興味があり、「世の中の人が今よりもっと自分らしく生きやすくなるサービス」に関わり続けられたらいいなと考えています。

気まぐれで書いているブログはこちらです。 note.mu

Chatwork で担当していること

Chatwork には、サービスやコーポレートのブランディングやマーケティング領域を担当する「デザインイノベーション室」と、チャットサービス「Chatwork」の UIデザインを担当する「プロダクトデザイン部」があります。

私の所属しているプロダクトデザイン部では、ロードマップに沿ったプロジェクト内でのデザイン提案の他に、クイック(Q)に要求仕様(PRD)を書いてサービスの改善提案をおこなう、Quick PRD という社内改善提案の仕組みがあります。

私は現在この Quick PRD の仕組みの中で改善起案をおこない、リリースに漕ぎ着けられるよう邁進しています💡

入社1ヶ月でのプロダクトデザイン部合宿

そして今日の本題、先月末にプロダクトデザイン部の合宿でおこなったことの一部をご紹介します。

6月は2019年上半期がちょうど終わるタイミング。
プロダクトデザイン部では丸1日を使い、チーム全員で振り返りをしたり、チームビルドを含めた「自分たちがデザインをする上で大事にすること」を言語化する、「プロダクトデザイン部のデザイン思想をアップデートするワーク」に取り組みました。

結論から言うと、
「みんなの考えていること、めちゃくちゃ分かってすごく良かった!!!」です。

Chatwork のプロダクトデザイン部は現在、入社半年以内の2名を含む6名のデザイナーと、現在育児休暇に入っている2名のデザイナーがいます。

新しいメンバーや休暇から戻ってきたメンバーと仕事をするときに、これまでデザイナー同士がなんとなく持っていた価値観を揃えておかないと、前提となる考え方の違いから大きな手戻りが発生し、デザインが円滑に進みづらくなる心配がありました。

今回の合宿では、既存メンバーも新メンバーも、同じ思いのもとチームとして一貫したデザインをして行くために、統一思想をあぶり出すワークをおこないました。

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プロダクトデザイン部のメンバー構成 illustration by Emi Moriya

Step1:デザイン思想エッセンスの共有

まずは去年、現在育児休暇中のメンバーがいるときに作られた「普段のデザイン業務で大切に思ってる考え」のエッセンスが詰まったキーワードを、既存メンバーが新メンバーにプレゼン形式で伝えていきます。

今でこそプロダクトデザイン部は「プロダクトデザインに集中する部署」となっていますが、元々のデザイン部は社内中のあらゆるデザインを請け負ってきた歴史があり、「効率」「スケジュール」「ナレッジシェア」に関するものが多いのが特徴的でした。

これまでは幅広い職種や部署と接点があり、デザイン部が唯一、すべての部署と仕事をしている部署だったという経緯も知ることができ、新メンバーにとっても収穫の多いプレゼンタイムでした。

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Chatworkプロダクトデザイン部 大切にしたい考えのキーワードを受け取るワーク

Step2:新メンバーの持つエッセンスの投入

次に、既存メンバーから受け取ったキーワード以外で、新メンバーが「大切に思っている考え」を出していきます。

もともとコミュニケーションに関するキーワードも多くあったのですが、「他職種とのコミュニケーション」や「ユーザー理解」に関するものが多く出たような気がします。

デザイナーが担う責任範囲が「広く・大きく」から、プロダクトデザインに集中することで「濃く・深く」なっていくことが鮮明になり、ミッションに対する解像度が上がったように感じました。

Step3:ワーディング

あぶり出されたキーワードを Chatwork のミッション・ビジョン・バリューと照らし合わせて、ずれたり抜けてしまっている観点ないかを確認しながら、スローガンとなるワードに落としていきます。

たくさん出たキーワード群は、こんな感じでグルーピングすることができました。

  1. 個人のスキル
  2. チームでの協力
  3. 他の職種、部署との連携
  4. ユーザーにとって、より良いプロダクトを作る

そして最初の3つのグループが、4つ目の「ユーザーにとって、より良いプロダクトを作る」という最終ゴールへの大きな流れとなりすべて繋がっている、と捉えることができました。

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Chatworkプロダクトデザイン部 大切にしたい考えのキーワードをまとめるワーク

ワーディング完成

4つの大きな流れを汲んで、出来上がったスローガンがこちらです。

個人からチームへ、チームから組織へ、組織から文化へ
◉ 個人でなくチームで乗り越える
◉ 他部署との相互理解
◉ ユーザーの声や行動から裏付けのあるデザインをする

& Take it easy 😸

デザイナーが個々の得意分野や専門性を伸ばし、発揮し、助け合いながら、デザイナーだけに閉じずにエンジニアやビジネス職、PMと協力して、自己満足ではないプロダクトの成果(=ユーザーの成功)につなげていく、という思いが込められています。

悪くない。

でも、なんか、忘れている気がする…。

ここで上がったのが、

「・・・けっこうマジメ!(笑)」

そうです。Chatwork の行動指針の1つに「いつも心にユーモアを」というものがあります。

マジメにコツコツ取り組むことももちろん大事ですが、コーポレートミッションである「働くことをもっと楽しく、創造的に」を実現していくためには、時には大胆なアイデアや遊び心も大切。

ということで、ふっと肩の力が抜けるようなキーワード、「Take it easy」が最後に加わりました。

なかなか網羅的で良いスローガンが誕生したのではないかと思います🐣

新たに生まれた問い

みんなで考え、全員が腹落ちした「デザイン思想」を作ることは、「メンバーの考えが合わずに、なんかいつもモヤモヤする」「マネージャーしかチームミッションを分かってなくて、手を出しづらい状態」などがクリアになり、とても良い方法だなと思いました。

しかし、本当に大変なのはここからだと思っています。

それらの思想をどうやって体現していく? 相互理解ってどうしたらできる? 裏付けのあるデザインってなんだ?

考えなくてはいけないこと、やらなくてはいけないことが盛りだくさんです。

合宿直後のマネージャーとの1on1では、さっそく「部署間連携施策を考える」という新たなミッションが追加されました。

Take it easy でがんばりたいと思います😸

書き忘れていたタイトルについて

さて、書くタイミングをすっかり失い、最後になってしまった「メロンパンの香り」の正体です。

今回の合宿会場としてコワーキングペース「Basis Point 神保町店」の会議室をお借りしました。

そのオシャレで居心地の良いスペースが入っているビルの1階は、なんと自家製メロンパン屋さん。
朝から夜までずっと、メロンパンを焼く良い香りが立ち込めていました。
ワーク中の写真やあとからまとめたドキュメントを見返していると、メロンパンの香りを思い出してお腹が空いてきます。

プロダクトデザイン部のデザイン思想が「絵に描いた餅」ならぬ「絵に描いたメロンパン」にならないよう、みんなで協力してサービスに活かしていきたいと思います💪

それにしても、写真がないのでメロンパンについてはまったく伝わらないですね。
ブログのためにとにかく写真はたくさん撮るべし、ということも学んだデザイン部合宿でした!

最後までお読みいただきありがとうございました。