こんにちは。料金プラングループでPHPエンジニアとして「Chatwork」の開発をしている坂中(@_yu_sakana)です。
kubellは先日開催されたPHP Conference 2025にブース出展してきました!
この記事では、ブース出展時に実施した「PHPエンジニア実態調査」アンケートの集計結果をご紹介します。 当日kubellブースでアンケートにご回答いただいたみなさま、ご協力ありがとうございました!
ブース出展、スポンサーセッションの様子は以下の記事で紹介しているので、こちらも併せてご覧ください。
アンケートの概要
「PHPエンジニア実態調査」と題してアンケートを行いました。 このアンケートでは、ブース横にパネルを設置し付箋で回答していただく形式とオンライン上でのアンケートの2種類で実施しました。
本記事ではオンライン上でのアンケート結果について公開します! 今回の調査では、特に今の開発シーンで最も注目されている「AI活用」をテーマに実施し、188人の方から回答をいただきました。
アンケート結果
現在、主にどのような業務に携わっていますか?(複数回答可)
アンケートに回答した方の中ではWebアプリケーション開発が最も多い結果となりました。 こうした開発業務の実装フェーズなどで後述するAIコーディング支援ツールの活用が特にありそうです。
それでは実際のAI活用に関する質問の結果をみていきます。
業務において、AIコーディング支援ツールやChatGPTなどの生成AIをどのくらいの頻度で利用していますか?
「利用している(「ほぼ毎日」「週に数回」「月に数回」の合計)」と回答した方が全体の97.6%とほとんどのエンジニアが業務にAIを取り入れていることが明らかになりました。 特に「ほぼ毎日利用している」の回答が82.4%と高く、今やAIは日常業務に不可欠なツールとなっていそうです。
これは前述したように回答した方の多くが、Webアプリケーション開発といった生成AIおよびAIコーディング支援ツールとの相性が良い業務に携わっていることも一因と考えられます。
業務で利用しているAIツールを教えてください。(複数回答可)
生成AIでは「ChatGPT」「Gemini」、AIコーディング支援ツールでは「Github Copilot」「Cursor」「Claude Code」の業務利用が多い結果となりました。 特に「Claude Code」は、PHP Conference 2025開催時点(2025年6月28日)ではリリースしてからおよそ1ヶ月にも関わらず、「Cursor」に迫る回答数でした。
kubellのAI利用については、「Gemini」「Github Copilot」がメインで利用されている印象があります。 直近では「Claude Code」の利用が解禁され、専用のチャットでメンバーが積極的に知見を共有し、よりよい活用を試みています。
AIをどのような業務で活用していますか?(複数回答可)
やはり「コードの自動生成・補完」での利用が最も多い結果となりました。
これは、「GitHub Copilot」が高い利用率を誇ることから、その主要機能が活用されていることを裏付けています。加えて、同ツールの得意とする「リファクタリング」の回答数が多いことにも繋がっていると考えられます。
全体を見ると、調査・設計・実装・リファクタリングと、まさに開発プロセス全体を横断してAIが利用されており、現代の開発においてAIは不可欠なパートナーと言えそうです。
AIの活用によって、あなたの生産性はどのように変化したと感じますか?
「生産性が向上した(「大幅に」「向上」「やや向上」の合計)」と回答した方が、全体の97%に達しました。 一方「逆に低下した」と回答した方が0件でした。これはAIの活用が利用者ほぼ全員にとって、より良い効果をもたらしていそうです。
AIを業務で利用する上での課題や障壁は何ですか?(複数回答可)
AI活用の障壁としては、「情報の正確性・信頼性」と「セキュリティリスク」という2つの大きい課題が突出する結果となりました。 AIが事実に基づかない情報を生成してしまうハルシネーションに対する懸念と機密情報の漏洩リスクがエンジニアにとって導入を躊躇させる要因になっています。導入コストや学習コストといった課題以上にAI活用に対する信頼と安全をどう担保するかを考えていく必要はありそうです。
今後、AIをPHP開発にどのように活用していきたいと思いますか?(複数回答可)
今後のAI活用について、最も多かった期待は「より高度なコードの自動生成」でした。 さらに「要件からのアプリ自動生成」や「レガシーコードの自動移行」も上位に入り、現在の補完機能に留まらない、より大規模な自動化への強い期待が読み取れます。 加えて、パフォーマンス改善や脆弱性診断といった、品質向上へのAI活用の要望もありそうです。
AIの活用で、最も期待している「PHP特有の課題」の解決は何ですか?
PHP特有の課題解決でAIに最も期待することとして、「複雑化したレガシーコード(秘伝のタレ)の解読・ドキュメント生成」が最多となりました。 「古いバージョンからモダンなPHPへのリファクタリング支援」も次点で多く、長年蓄積された技術的負債の解消に強い期待が寄せられていることが分かります。
AIによるコード生成は、「技術的負債」に対してどのような影響を与えると思いますか? あなたの考えに最も近いものを1つ選んでください。
AIコード生成が「技術的負債」に与える影響として、最も多い回答が「結局はレビューする人次第」となりました。 これは、AIが最適なコードを提案し負債を減らすという大きな期待がある一方で、安易な利用が意図しない新たな負債を増やすリスクも同時に存在する状態と言えそうです。
おわりに
本記事では、PHP Conference 2025でのブース出展時に実施したオンラインアンケートの結果をご紹介しました。
今回のアンケートから見えてきたのは、AIがもはや「便利な道具」ではなく「必須のパートナー」となりつつある印象でした。 この変化の波を乗り遅れないよう、私たち自身も日々の業務でAIとの付き合い方を模索し続けていこうと思っています。
kubellでは、AIの活用を通じて「Chatwork」をよりよいプロダクトにしていくための仲間を募集しています! hrmos.co
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