kubell Creator's Note

ビジネスチャット「Chatwork」のエンジニアのブログです。

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エンジニア採用担当者の回顧録

はじめに

kubell Advent Calendar 2024の12月4日を担当します、kubellでエンジニアの採用をやっている竹内です。はじめまして。 さて、kubellにやってきて早1年半が経ちましたが、技術の進化以上に年々採用市場のトレンドの変化も早く、驚かされる毎日です。 今日は、エンジニア採用をやっている私が、徒然なるままに見聞き、感じ、共感、一方で疑問に思ったことをとりあえず書き綴ってみようと思います。(この記事を書いている直前までネタが思い浮かばなかry)

1. Anti-pattern

エンジニア採用を本格的に関わってから、大層多くの人に

  • 「プログラミングやったことあるの?」
  • 「エンジニアやってたの?」
  • 「やったことないのに大変じゃない?」→ 大変です
  • 「やったことなくてなんでやってるの?」

と聞かれました。

つまり、全部ひっくるめると「技術の知識もないのに、採用やるのって大変じゃない」って配慮いただいたんだと思います。

しかし、いざやってみるとほとんどの人事の皆さんはエンジニア未経験なんです。え、そういった人事はどんなところに価値を発揮することができるのか、ってきっと私に声をかけた人はさぞかし怪訝な顔をされていることと思います。 とりわけ私はエンジニア新卒採用を担っていますが、実際に多くの学生エンジニアの方と交流をすると、必ずしも得たいものは技術的成長に対する示唆だけということではないんじゃないかと見えてきたんですね。

例えば、”キャリアについて”の悩みとか。

日々多くの社会人や学生の方と接している採用人事だからこそ、求められている知見がそこには存在しているんだと改めて思い知りました。

周囲から見れば、すごい大変なことしている(技術のことをわかっていないのによくやっている)と思われがちな仕事ですが、介在価値は技術だけではないということを、身をもって体験できたように思います。

これは個人的なことですが、昨今エンジニア採用という仕事はどこか敷居の高さがあるように感じます。 先述の通りですが、エンジニア採用をやるにあたって技術の知識は必要条件という風には些かにも思いません。一人ひとりが見聞きしてきた、いろんな人のキャリアストーリーの蓄積をベースにオリジナルの価値を紡げるはずです。

いまkubellは、非常に大きな事業成長フェーズにいます。組織づくりを採用という切り口から一緒にやってくれる仲間を絶賛募集していますよ、というオチも付け加えさせてください。

hrmos.co

2. User eXperience

今年は昨年よりも暑い、と毎年言っているような気がした今夏ですが、今年もkubellではサマーインターンシップを開催しました。 企画準備まわりの記事はこちらも併せて読んでいただくと良いと思います。

creators-note.chatwork.com

私はkubellに入社してから2025年入社の採用と2026年入社の採用に関わってきました。 そんな実体験から、肌感覚的には毎年学生エンジニアの採用は熾烈さを増しているように思います。各社試行錯誤しながらどうにか採用をしようと苦慮している様は不定期に外部開催される人事交流会でも話題の中心にあがります。各社の話を聞いたり、手元では自社の採用企画をしていたり、いろいろやっているうちに結局のところ選ばれる会社の本質はこれなんじゃないか、と思ったことがあります。

(ちなみに、なぜ各社がこれだけ苦労をしているのかというと、学生エンジニアの数は全就活生約45万人のうち、毎年わずか2万人、全体のうち4%しか対象がいないのです。そのうち学生期間中に実務経験があるのは1,000人、実務はまだだけど何かしら作ったことがあるが1,000人といった母数なのです。全就活生に対する0.2%の人材に対して大手、ベンチャーなど数十社が採用活動を展開するわけです。 -「ゼロからわかる新卒エンジニア採用マニュアル」p.29を参考)

※ちなみにkubellは文理不問なので対象を絞っていることはないですよ😀

www.asa21.com

それが”体験”ということです。

選考体験、候補者体験、就業体験、etc.

よく採用界隈では、採用CX(Candidate eXperience, Customer eXperience)が重要だと言われています。

以下、ChatGPTより一部抜粋。

  1. スムーズなプロセス

  2. 透明性の確保

  3. 迅速なコミュニケーション

  4. パーソナライズされた対応

  5. テクノロジーの活用

  6. 体験後のフォローアップ

これらが候補者体験を向上させるために重要な要素である、と。

採用CXはもちろん重要ですが、個人的にはもっと大局で捉えてもいいのかなと感じるところがあります。 採用CXの向上はどちらかといえばOps周りに主眼を置いているように思いますが、これ以上に重要だと思うのが候補者本人のマインドに作用する体験をいかに提供できるかということだと思います。

自分自身もそうなのですが、だいたい最初の興味関心は漠然とした憧れから始まることが多いように思います。とはいえ、中を知ってみたら「想像と違った」という体験をして熱が冷めてしまうことも考えられますし、逆も然りで、最初は名前だけ知っている程度だったけれど、中を知ってみたら「これだ!」ということも起こり得るわけです。

kubellは今年の7月に社名変更をし、会社として大きな転換点を迎えました。 そうした転換期の中で私たちは現場のエンジニアやステークホルダーと協働して、これまでとは異なる体験を提供しようと動きました。

特に今年は”ユーザードリブン”な開発者体験をコンセプトに、可能な限り実務に近い体験と学生エンジニアの方にとって成長機会となるよう、抜本的にコンテンツの見直しを行いました。昨年も良いインターンシップを提供できたと自負していますが、今年は一層アップデートされた内容で体験を提供できたようにも思います。 当然それだけでマインドを変えることは難しいわけですが、これを起点として、選んでもらえるような体験を波状的に続けて提供していくことが採用において最も考え抜かないといけないことだと感じました。

Appendix. Tech Recruiter

最近、読んだnoteに非常に興味深い記事を投稿している方がいました。 エンジニアは専門職に近いゆえに、エンジニア採用もエンジニア採用の道しかないんじゃないのか、と考える方もどこかにはいらっしゃるんじゃないでしょうか。 もし採用人事のキャリアを困っている方が入ればぜひ読んでみてほしいです。

note.com

おわりに

初めてAdvent Calendarに参加してみましたが、推敲していないので結局なにを話したいとのかまとまらなかったように思います。

  • エンジニア採用はすごく大変だけどそれ以上に面白い仕事
  • エンジニア採用のキャリアは貴重(だと思っている)
  • 結局はいかに”体験”を思考し、設計し、提供するか

ということで筆を置きつつ、明日は@shibumariさんが記事を公開予定です! お楽しみに!!