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ビジネスチャット「Chatwork」のエンジニアのブログです。

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'24新入社員と一緒に、社内アジャイルスクラム研修に行ってきた!

皆さん、こんにちは!kubell(旧Chatwork)の安田です。

新卒の皆さんは入社して4ヶ月目、そろそろ会社に慣れてきた頃でしょうか?

kubellでは2日間にわたって、新卒社員を対象としたアジャイルスクラム研修を実施しました!座学とワークショップで構成された研修の様子をレポートします!

なんでアジャイルスクラム研修?

そもそも今年の新卒研修のテーマはこちら。

新卒メンバーへプロダクト組織内の職種、チーム理解を促し、スムーズに配属先に馴染める状態を目指す

これまで新卒社員に対してアジャイルに対する基礎知識を公式にインプットする場は設けていませんでした。配属チームによって微妙に開発手法が違うため、インプット方法は配属先に委ねていたのが大きな理由です。

でも基礎知識があるかどうかでチームへの馴染みの速さはかなり変わりますよね。そういった理由で今年初めてこの研修の開催を決定しました。

またすでに開発現場で活躍している新卒2年目、3年目メンバーにも参加してもらいました!先に先輩のことを知っておけば、配属後に気兼ねなく相談できますからね。

この記事を書いた人のアジャイル理解度

ちなみに安田のアジャイルに対する理解はこんな感じです。

・エンジニアが使う開発手法の一つ。
・ゴールを短く区切ることで手戻りが少なくなるのがメリット。
・スクラムマスターとPOがいる。
・アジャイルもスクラムも全くやったことがない。
・エンジニアリングの知識はゼロ。

「事前勉強は必要ですか?」と聞いたら、「そのままで来てください」と言われたので、特にインプットせずに望みました。不安しかありません。

Day1

研修は府中のとあるホテルで行いました。社会人歴が長くなってくると、こういう場ってあんまりないので新鮮ですね。新卒メンバーにはこれから何をするのかという不安からか、若干の緊張感が漂っています。

チーム分けの様子

全員集まったところでまずはチーム分けから。すでに決まっているのかなと思っていたのですが、そんなことはなく…身長順や睡眠順などで並び、結果いい感じの按分になるように割り振られました。

これがスクラムの洗礼…?と困惑しましたが、実はこれ自体がアジャイルでは物事を一列に並べるのが大事、と言うワークでした。

このチームで2日間を過ごすことになります。

まずは座学でアジャイルのいろはについて説明がありました。開発経験がまったくないので話についていけるかな?と思っていたのですが、プロダクト開発を前提として説明ではなく、アジャイルの概念の話から説明してもらえたので、非常にわかりやすかったです。

講義を聞くうちに、アジャイルはエンジニア以外も使える手法であるとわかってきたのですが、そういえばAgile Tea Partyでビジネス系の方も発表していたのはこういうことだったのかと腑に落ちました。

遊んでいるわけではないです

鉄は熱いうちに打てということで、実践編になります。 スクラムのやり方に則って課題に取り組むのですが、スプリントのサイクルが短い短い。困惑したままスプリントが終わり、みんなでほかチームのフィードバックをし、また次のスプリントへ…。このスプリント間隔の短さには最後まで慣れなかったんですが、実際の開発規模と比較したら研修内でのスプリントはこのくらいの長さになるのかもしれないですね。

ワークショップの様子

スプリントを繰り返すうちに気付いたんですが、たしかにちょこちょこスプリントレビューを挟むことで、課題が意図していたものに近付いている感じがしました。

これまではいわゆるウォーターフォール型開発の方がスピードが早いんじゃない?と思っていたのですが、最後までやって「これじゃない!」って言われるより、要所要所で「こうしてほしいんです」って言われたほうが近道ですね。

なんなら最後までやって「これじゃない!」ってなったら、「早く言って💢」ってなるので、精神衛生にもいいです。

先輩との仲も深まったようです

夜には自由参加の懇親会を行い、わいわいお話ししました! 明日寝坊しないように気をつけてね!

Day2

ちゃんとみんな起きられたようです。

スクラムの基本を知った我々に怖いものはありません。二日目はワークショップメインの講義です。

と思っていたのですが、これが全くそうじゃない。

知識として知っていることと実践は違うとは言いますが、教わったとおりにやろうと思っても、「あれ?この進め方でいいんだっけ?」という戸惑いが生まれました。

個人的にスクラムの鬼門となるのはこの2つかなと思いました。

スプリントバックログ作り

実践していくうちにコツが掴めてきてちょうどいい塩梅が分かってきますが、初めてのスクラムだと作業の適切な粒度とは?どのくらい厳密に決めておくべきか?が見えません。

ここで適切にバックログが作れていないと、スプリントゴールを達成することができず、成果ゼロになってしまうので、メンバー全員の目線合わせができていないと難しいなと思いました。

POの役割

プロダクトバックログアイテムの並び順に最終決定権を持ち、完成しているか判断する人とのことですが、ここをやり切るのってかなり難しいですね。日本人の傾向の一つとして、「みんなで話し合って決めようね」という感じだと思うのですが、POになると開発メンバーとはある程度割り切った関係である必要性を感じました。

スクラムを初めてやる場合は、POは経験者が担当するのが良さそうだなと思いました。

研修を受けて

研修を受ける前は「スクラムはエンジニアが使うもの」というイメージが強く、あまり身近に感じることができていませんでした。しかし研修を受けてみて、その他の職種だったとしても活用できそうだなと感じました。チームで仕事をする部署であれば、どこでも転用可能そうです。

特に開発には全く関与しないスクラムマスターという存在が肝で、実業務に関わっているメンバーだけで話しているとどうしても停滞してしまうときに、違う視点で打開策やアドバイスを貰えるのがいいなと思いました。

お疲れ様でした!

ここからは新卒のみんなの感想をYWT(やったこと・わかったこと・次にやること)方式で一部抜粋してお届けします。 Yのところを公開しちゃうと来年入社してくれた人の楽しみがなくなっちゃうので、WTだけ公開します。

W(わかったこと)
- プロダクトバックログはスプリント+α分は着手可能なレベルで用意しておく。
- できないということは「できない」と言ってくれるとスムーズ。
- アサインはしっかりわかるようにしておく。
- POとDevの間、中間管理職みたいで大変。
- スプリント内で必ず出荷できる成果物を出す大切さ。
- フィードバックを早くもらうことで改善が毎スプリントごとに得られた。

T(次にやること)
- 開発者としてしっかりできないことは言う。
- バックログの切り方を時間ではない見積もりの単位で行う方法を考える。
- 兼業を辞める(せめて2役で留める)
- チームとして動けるように働きかける。
- タスクを適切な粒度にして合意する。

新卒の皆さんは学生時代は個人開発が多かったと思いますが、この研修を通じてチーム開発の大変さや面白さを感じてくれると嬉しいです。

そして!8月からはサマーインターンシップがあります! 残念ながら募集は終わってしまったのですが、インターンシップの様子もお届けするかも?なので、期待してお待ちください。

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