モバイルアプリケーション開発部の奥澤(@okuzawats)です。数年前にダイエットを決意して以来、毎朝の体重の測定と記録を欠かさず行い、横ばい、または上昇傾向のグラフを眺めながらため息をつく日々でした。しかしながらこの一ヶ月は体重の測定をすっかり失念しており、今朝ひさしぶりに体重計に乗ると、前回測定時から3.5kgほど減っておりました。計測をやめると上手くいくこと、あると思います。
私の所属するAndroidのプラットフォームチームでは、カンバンを導入してから9ヶ月が経ちました。本記事では、実際にカンバンを使って、我々のチームがどのように働いているのか?ということを紹介したいと思います。カンバンを導入した背景については、スクラムマスターの折田が書いた記事をご覧ください。
カンバンのある一週間
カンバンでは、スクラムにおけるスプリントが存在せず、タイムボックスの概念はありません。スクラムイベントのようなイベントは少ないのですが、我々のチームではいくつかのイベントを定義し、実施しています。
朝会
15分のスタンドアップミーティングです。全員リモートなので実際に立っているわけではないですし、朝会と言いつつ午後の開催だったりします。
朝会では、まずチケット進行の妨げになっている課題について共有します。朝会の時間は限られているため、朝会では課題の解決については深追いしません。朝会で解決しない課題については別途ミーティングの予定を立てて、課題の解決はそちらに委譲します。朝会ではチケットに関する進捗報告は特にせず、チケットを完了するための課題にフォーカスします。
滞っているチケットがあれば、どうすればチケットを完了できるか?の話し合いもします。メンバーの状況を見て、チケットを交換するなど、チケットを完了するための動きを取ります。体調不良などの理由で急遽休んだメンバーがいれば、そのメンバーの持っているチケットを誰かが引き継げないかということも考え、チケットが滞ることのないようにします。
チケットの話を終えたら、残りの時間を雑談にあてます。我々のチームは雑談を大切にしているので、この時間は重要な時間です。とはいえ、ダラダラと話すことはせずに、時間が来たら朝会は解散します。最近の雑談では、「井村屋から「こしあんバー」が数量限定で発売されたが、どこの店に行っても手に入らない、どうすれば入手できるのか?」という話題がホットでした。イオンには入荷されているらしい、井村屋に問い合わせると入荷している店を教えてくれるらしい、などの日々情報がアップデートされましたが、まだ入手した者はおりません。情報をお待ちしております。
リファインメント
カンバンにはスクラムにおけるリファインメントは定義されていません。しかし、我々のチームではリファインメント(とチーム内で呼んでいるイベント)を不定期に開催しています。
チームには、組織の戦略に基づいて策定したチームのロードマップが存在します。このロードマップに従って、節目節目で次の数週間でチームが進めるべき(大量の)チケットを作成します。作成したもののいつの間にか不要になってしまったチケットは、このタイミングで削除することもあります(必要なら、どうせまた起票されます)。
このイベントには、チームがその時々で最重要と考える課題について、メンバー間での認識を揃える役割もあります。
振り返り
1週間の最後は、週の振り返りで締めくくります。1時間かけて、週に起こった出来事、感じたことを振り返り、次の週からのチームの改善に繋げる、重要なイベントです。重要だからこそ、リラックスした雰囲気で、楽しく振り返りを行います。そのため、おやつやコーヒーの飲食を推奨しており、振り返りの開始時間前にはおやつを準備するためのリマインドも行われます。
振り返りは、以下のようなアジェンダで進めます。
- アイスブレイク
- DPA(Design the Partnership Alliance)の確認
- Working Agreementの確認
- メトリクスの確認
- 先週のNext Actionの確認
- 振り返りのワーク
- Next Actionの抽出
- 振り返りの振り返り
振り返りを続けるうちに、アイスブレイクが重要であるという認識がチーム内で育まれました。アイスブレイクがうまくできれば、その後の振り返りでも忌憚のない意見が出やすくなると感じています。最近は、各自の持ち寄ったおやつの説明(自慢)でアイスブレイクすることが多いです。これにより、おやつを食べながらの振り返りへシームレスに移行することが可能というメリットもあります。
メトリクスの確認では、カンバンにおけるWIP制限1に関するメトリクス、Findy Team+を用いたチームの生産性のメトリクス、Four Keys2に関するメトリクスを確認します。このメトリクスも振り返りのワークやNext Actionの抽出のためのインプットとなります。「誰の生産性が良かった、悪かった」というような話はせず、あくまでチームの生産性の話をします。
振り返りのワークでは、持ち回りで決まるファシリテーターが、その時々で行うべき振り返りのワークを決めて振り返りを実施します。「ふりかえりカタログ」3に記載されているような、Fun Done Learn、KPT、Starfishなどの手法を用います。ワークの結果を元に、必ずNext Actionを抽出します。Next Actionは、チームの改善のためのアクションです。Next Actionが実行できたかどうかは、翌週の振り返りで確認しています。
最後に、振り返り自体の振り返りを行い、次回以降の振り返りの改善に繋げます。
TGIF🍺
振り返りが終わったら、1週間も終わりです🍻
まとめ
カンバンを導入したAndroidプラットフォームチームの働き方を紹介しました。来月2023年10月には、iOSのチームも含めてChatworkのモバイルアプリ部全体の働き方をお話しするイベントもありますので、興味のある方は参加登録をお願いいたします🙇🏻♂️
Chatwork株式会社では、「働くをもっと楽しく、創造的に」をミッションに掲げています。我々Androidプラットフォームチームも「働くをもっと楽しく、創造的に」を実践しています💪Androidプラットフォームチームで「働くをもっと楽しく、創造的に」を実践したい!という方はこちらへどうぞ💁
- Work In Progress制限。同時に着手できるチケットの数を制限することで、チケットの着手ではなく、完了に意識を移すためのもの↩
- エリート DevOps チームであることを Four Keys プロジェクトで確認する | Google Cloud 公式ブログ↩
- https://speakerdeck.com/viva_tweet_x/retrospective-catalog-59bd3a29-314c-45dd-911b-f8e5f1308333↩