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ビジネスチャット「Chatwork」のエンジニアのブログです。

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会社とメンバーの方向性を合わせていく対話について

こちらは kubell Advent Calendar 2024 シリーズ2 12月17日分の記事です。

EMとして入社しました、久村です。 2024年9月に入社し、濃密な4ヶ月目を過ごしています。

新しい環境での感じていることに加えて、全社のマネジメント合宿もあり、マネジメントに対する考え方をアップデートすることができたのでその内容について記事にまとめます。

会社とメンバーの方向性を合わせていく

社員一人一人の目標と会社の目標の方向性を合わせることはとても大切です。もし両者の方向性が大きく違っていると、会社への貢献が見えにくくなり、その結果、適切な評価や昇給を得られにくくなってしまいます。

この点について、マネジメント合宿で学んだ「30°」という考え方は、とても参考になりました。 あくまで概念的なものですが、メンバーの目指している方向と会社の方向のギャップを30°以内に収めましょうという考え方でした。 合宿では1分にも満たない時間での説明だったのですが、自分には強く印象に残ったものでした。

その考えをきっかけに、会社とメンバーの方向性を揃えることについて改めて考えてみようと思い、この記事ではその内容を整理していければと思います。

どの方向に線が出ているかを把握する

最初に、メンバーの方向性を理解する必要があります。

会社の方向性についてはここでは定まったものとして扱わせてください。ミッション、ビジョンというものは長期的な方向性であり、そこから逆算したものが全社目標、部署目標、チーム目標に落とし込まれていきます。 チームとして期毎に注力する施策は変わることもありますが、その先の方向が大きく変わることはないものと考えます。

メンバーの目指していることを理解する上で、やりたいことを中心にその背景などに話を進めていきます。その際に最初から方向を揃えることを意識してコミュニケーションはしない方が良いでしょう。意識するあまり、誘導尋問のようになってしまい、揃えるためのコミュニケーションになってしまうリスクがあります。

入社した経緯、憧れている人物、言われなくてもやってしまうことなど、その人のモチベーションの源泉は何かを聞いて、把握していきます。

方向を揃える

メンバーの方向性が見えてきたら、そのギャップを確認し、調整していきましょう。 対話を重ねながら、行ったり来たりして揃えていくイメージです。

その際に大切なのは、なぜ会社はその方向を目指しているかの理解を深めることです。

一例ですが、kubellのバリューの一つにPlayful Challengeというものがあります。遊び心を持ってチャレンジというメッセージです。 仮にメンバーが新しいことに挑戦したいという思いがあった場合、方向としては近しいものがある気もしますが、このバリューの背景には、「私たちは困難な社会課題に取り組むベンチャー企業。たとえ前人未路の領域であったとしても、新しい発想を持って果敢に挑戦する」というメッセージがあります。

単に「新しいことをやりたい」という方向性も近いものがありますが、会社の意図や背景を理解すると、その行動に「新しい知識を得る」という目的が加わり、会社の方向性と個人の目標がより近づいていきます。

会社の目指している方向を理解し深めることで、メンバーのやりたいことを会社の方向に合わせやすくなります。

線を太くする

方向性が揃っても、そこに勢いやパワーがなければ成果にはつながりません。マネジメントとしては、成果への可能性を高める関わり方をすることが重要です。

そのために「ちゃんと見ている」というのは大事です。 監視するというわけではありません。 目標は立てたけど、その後は知りませんでは勢いづけることはできません。

ちゃんと見ているという安心感を与えることが大事です。

対話による実践

ここまで方向性を合わせていく流れを説明しました。 上記を進めていく上ではメンバーとの対話が重要だと思います。

マネージャーであれば1on1をしている人も多いと思うので、その場を活かすことが重要です。 そして対話を行う中でもそれぞれのフェーズによって目的は異なります。

意識する点を図で表現すると以下になります。

それぞれ説明させていただきます。

信頼関係を築く対話

どの方向に線が出ているかを把握するためには、まずはこの人になら話しても良いかと思ってもらえる関係であることが重要です。 私の場合は話しやすい場を作ることは心がけており、以下の点を意識しています。

自分のことを語る

まずは自分がどういうことを目指しているのかを話します。 私の場合だと入社したタイミングでもあるので、なぜ入社したのかを話したりします。

また失敗している部分も話します。格好つけずにいけてない部分も伝えることで相手も話しやすくなることを期待しています。

相手に興味を持つ

弊社では「あれ誰」という自己紹介のページがあるので、そこは必ずチェックします。 それを基点に、どういう人なのかなと興味を持って質問をしていく事が大事です。

気づき、変化を与える対話

方向を揃えるフェーズでは、自分の考えを述べたり、見えていない視点があれば共有するようにします。 その際に、相手から反対意見をもらうこともあるでしょう。それは非常に貴重なものであり、歓迎する事が大事です。くれぐれも反論はしてはいけません。2度とそのような意見はもらえなくなるでしょう。

相手の意見を尊重し、自分だったらこういう見方もできるという対話を繰り返すことが大切です。 自分も新しい気づきを得る意識も大事です。一方的に伝えるという意識は避けるべきでしょう。

フィードバックを伝える対話

線を太くするためには、相手の行動を日々観察し、具体的に感じたことを丁寧に共有していくことが大切です。チームメンバーの成長や貢献を見逃さず、タイムリーに伝えることで、モチベーションの向上と方向性の確認につながります。

フィードバックと言うと何か新しい気づきや改善点を伝える必要があると思うかもしれませんが、「あの時の対応が良かったね」「順調に進んでいるね」 といった肯定的な観察の共有でも十分価値があります。

目指している方向に向かって着実に進んでいる状況を確認し、それを率直にフィードバックすることで、安心して目標に向かう事ができ、さらなる挑戦への原動力となると考えています。 また、時には目標からずれている部分があれば、それを率直にフィードバックすることが重要です。

まとめ

この記事では、会社とメンバーの方向性を合わせていくためにメンバーの方向性を把握し、会社の方向性と調整し、その勢いを高めていくための具体的なステップを整理しました。また、各段階において効果的な対話を行うために意識している点を説明させていただきました。

良い対話を積み重ね、会社とメンバーの方向性を近づけることで成果につなげていきたいと思います。