この記事は、kubell Advent Calendar 2024(シリーズ 2)の11日目の記事です。
こんにちは。QAエンジニアの稲垣です。 入社3ヶ月目に私が初めて開催した読書会についてご紹介いたします。
思えば、私がプロダクトの方々と深く関わるきっかけになったのはこの読書会でした。 当時、ChatworkプロダクトにおけるQAエンジニアは私1人でした。同じ職種の方がいないことで参加者が集まるのか少し不安でしたが、募集をしたところ10名の方が集まってくださいました。 そのとき開催した読書会についてご紹介いたします。
読書会開催に至った経緯
去年アドベントカレンダーを読んでいたら、奥澤さんの下記の記事が公開されていました。 creators-note.chatwork.com
こちらで紹介されていた衝撃を受けた3冊の中に「LEADING QUALITY」が入っていました。
「LEADING QUALITY」は、ソフトウェア品質はビジネスを左右する要素と捉え、品質の大切さをいかに組織に広め、品質文化を醸成するかが記されており、1人目QAエンジニアとして入社し、品質文化を醸成したいと考えていた私としては見逃せない一冊でした!
また、奥澤さんが背中を押してくださったこともあり、参加者を募り2024年1月〜4月にかけて読書会を開催しました。
読書会に参加してもらうために
読書会に参加するハードルを下げるために、アクティブ・ブック・ダイアローグという手法を採用しました。 アクティブ・ブック・ダイアローグは、本の内容を参加者同士で分担して、それぞれが担当した箇所を読み要約し発表をします。その後ディスカッションを行います。
1冊すべて読まずとも本の全体像を把握することができるため「興味はあるけど事前に本を読む時間がないから参加できない」「本を読んでくることを忘れて議論に参加できない」ということはありません。
読書会の流れ
第1回目では、読書会の説明と要約箇所の担当者割り振りを行いました。 その後の読書会は、下記の流れで実施し、開催は1回1時間 全11回行いました。
- オンライン上に集合
- 読書&要約作成(30分)
- 各自、読書をし担当分の要約を作成する
- 要約発表(10分)
- 発表者:担当分の要約を発表する
- 参加者:miroに感想・疑問を付箋で貼っていく
- ディスカッション(20分)
- 全員でmiroを見ながら感想、考えたことなどをディスカッションする
ディスカッション時に使用したmiro(詳細は公開できないためイメージだけ)
発表者が要約発表する際、下記のような場面がありました。
本書の中で「ナラティブ」という言葉が出てくるのですが、あまり馴染みのない言葉だったため補足を加える工夫をすることで、参加者全員がスムーズに理解を深めながら進めることができました。
また、要約する中で担当者が疑問に思ったことを参加者に投げかけることで、「当社ではどうだろうか?」「Chatworkプロダクトで考えた場合は?」など、内容を実務に結びつけ自分ごととして捉え話し合うことができ、ディスカッションを通して実り多く、1人で読むだけでは得られない視点や知見を共有することができたと感じました。
品質に関するディスカッションでは、狩野モデルや ISO/IEC 25010の品質モデル、さらには過去社内で開催された「質とスピード」の講演なども話題に上がり、QAエンジニア以外の多角的な視点を取り入れることで議論がさらに広がりました。
読書会開催にあたり工夫した点
- 課題図書は、専門家でなくても読みやすい本を選定(エンジニア以外の方にも参加いただいた(感謝))※実際は「LEADING QUALITY」ありき
- 読書会に参加するハードルを下げるために、アクティブ・ブック・ダイアローグという手法を採用した
- 全員がオフィス勤務しているわけではないため、どこにいても参加できるようオンライン形式にて開催した
- 社内勉強会支援制度を利用し、業務時間内の扱いとした
さいごに
実業務とは違う関わり方で、品質についてディスカッションする良い機会が得られとても有意義な時間を過ごすことができ嬉しかったです。 読書会を開催することで、実業務で関わることになったときも、声をかけやすく遠慮せず会話ができる土台ができたと感じました。
読書会は知識の共有や成長のためという目的も勿論ありますが、仲間を増やすきっかけにもなると思います。 仲間を増やしたい方は是非、読書会を開催してみてはいかがでしょうか。