こんにちは!@cw-takeです。
今年参加したイベントで「インクルーシブデザイン」という言葉をよく耳にしました。話を聞いていると、アクセシビリティに関連した言葉のようですが、いまひとつ内容が理解できずにいました。
今回はWebの記事を参考に、インクルーシブデザインの理解を進めてみようと思います。
インクルーシブデザインとは
これまで製品のデザインプロセスの中で軽視されがちだった高齢者や障害者、外国人といった方(インクルーシブデザインでは彼らをリードユーザーと呼ぶ)をデザインの上流から巻き込んでいく手法です。
リードユーザーをデザインに参加させることで、健常者が気づかないような潜在的ニーズを製品に取り組むことができます。アスクルの角が丸いティッシュや、OXOの計量カップはリードユーザーの声をヒントに開発された製品ですが、リードユーザーだけでなく、多くの人が使いやすい製品として成功しています。
出典:アスクル オリジナルティッシュ かどまる BUGSFUN 1ケース(60箱)
ユニバーサルデザインとの違い
似た意味を持つ言葉として「ユニバーサルデザイン」があります。ユニバーサルデザインは原則が明文化されているため、デザインが原則に則っているかどうかを判断しやすく、製品の検証段階で取り組みやすいのが特徴です。
これに対し、インクルーシブデザインは製品の初期段階から取り組まれるのが特徴で、原則というものはつくらず、リードユーザーから直接ヒントを得ようとする活動のことを指します。
インクルーシブデザインとユニバーサルデザインは、それぞれの手法の中身や取り組む段階に違いはあるものの、誰でも利用できる製品をつくろうとする目的は一緒です。
インクルーシブデザインに取り組む上での注意点
リードユーザーの意見をそのままデザインに採用してはいけません。開発する製品は、彼らのためだけにつくる製品ではないからです。
リードユーザーはあくまでデザイナーが気づけなかった課題を発見するのが役割であり、最終的にどういったさじ加減で製品に反映させるかはデザイナーの仕事です。
インクルーシブデザインに取り組む中で出てきた意見は、製品の目的や自社の制作ガイドラインと照らし合わせながら、他の要素とバランスを見て採用するようにしましょう。
最後に
インクルーシブデザインは課題発見のための手法であることがわかりました。
本当は「インクルーシブHTML+CSS & JavaScript」を読む前に軽く調べるだけにするつもりだったのですが、軽くでは終わらない内容で、また興味もある内容でした。
ChatWorkでは、アクセシビリティ対応を始めとした各種ガイドラインへの対応を進めていますが、まだリードユーザーを含めて制作を進めるには至っていません。今後インクルーシブデザインの手法にも取り組んでいけるように、本やワークショップなどの参加を通して理解を進めたいと思います。
参考
インクルーシブデザインを学ぶにあたって以下の記事を参考にしました。概要の紹介から入って、より具体的な手法や事例を学べるような順番で記事を並べているので、もしよかったらご覧になってください。
- インクルーシブデザインとは | インクルーシブデザイン・ソリューションズ
- 九大 平井康之准教授インタビュー | あしたのコミュニティーラボ
- インクルーシブデザインの原則(「Inclusive Design Principles」日本語訳)
- インクルーシブ・デザインのワークショップに参加してプロダクト開発の悩みが解消しました | umionia’s diary
- インクルーシブデザインワークショップに行ってきたよ! | Trans
また、同じChatWork社員もインクルーシブデザインに触れています。リードユーザーは特別に見られがちですが、入院中や海外旅行の際は誰でもリードユーザーの視点から意見が出せそうですね。